生誕100年記念 ダリ展 − 創造する多面体 (2007)
 奔放なイマジネーションを精緻な写実的技法によって白昼夢のごとく描き出したダリ (Salvador Dalí, 1904-1989) の作品世界は、日本はもとより世界各地で高い人気を誇り、これまで数多くの展覧会が開催されてきました。ダリの芸術は何よりもまずその絵画によって広く知られていることは言うまでもありませんが、自らを取り巻く世界のあらゆる事象にどん欲なまでの関心を抱き、全てをダリ的に変貌させずにはおかなかったこの天才は、様々な手段によってその独自のイマジネーションを増殖させていきました。生地スペインのフィゲラスにあるこの画家の美術館は、ダリがその晩年の全精力を傾注して創り上げたそれ自体一つの作品ともいえる建物ですが、絵画のみならず、オブジェ、宝石、素描、版画、写真など、あらゆる作品が渾然一体となったその迷宮のような空間ほど、この天才の世界の本質を見事に伝えてくれるものはありません。
今回の展覧会では、複雑にして多面的な顔を持つこの芸術家の全貌を、彼が駆使した様々な表現手段を通じて紹介することを第一の目的にしています。自らの欲望の泉の中から次々とあふれ出る狂おしいまでの想念と、それを明確なイメージに転化する卓越した技巧。ダリの芸術の根幹を成すこの二つの要素は、絵画だけでなく、執筆活動、挿絵、広告デザイン、舞台衣装、そして万博のパヴィリオンに至るまで、すべての領域にはっきりと刻印されています。そして、これらの多様な活動の広がりの中に、私たちは初めてこの作家の本質を知ることができるのです。
2004年はダリの生誕100年にあたり、世界各地でこれを記念する展覧会が開かれましたが、本展はその一つに位置づけられるもので、スペインのガラ=サルバドール・ダリ財団と、アメリカのサルバドール・ダリ美術館による全面的な協力もとに開催されます。油彩画約40点、ドローイング、手書原稿、記録写真、舞台衣装、家具他、計約180点の作品によって、驚きと幻惑に満ちたダリの世界を新たな視点から紹介するものです。
<画像>《奇妙な廃墟の中で自らの影の上を心配でふさぎがちに歩き回る、妊婦に形を変えるナポレオンの鼻》油彩・キャンバス、1945年。ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵。Worldwide rights © Salvador Dali, Fundacio Gala-Salvador Dali,SPDA,Tokyo.2007
□ 会期会場
- 2007年3月8日〜5月6日 サントリーミュージアム (天保山) [ サイトを開く ]
- 2007年5月12日〜7月11日 名古屋市美術館 [ サイトを開く ]
- 2007年7月21日〜9月6日 北海道立近代美術館 [ サイトを開く ]
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