シャルル=フランソワ・ドービニー展が三重で開幕いたしました

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シャルル=フランソワ・ドービニー展が、三重県立美術館で9月10日に開幕いたしました。山梨から始まりました巡回も、ついに最終会場です。








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三重県立美術館は、緑に囲まれた美術館で、作業中はまだ夏のような暑さが残り、時折感じる風が気持ちのよい日々でした。緑と日差しがきれいで、まるでドービニーの作品の中にいるかのようでした。

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ドービニー展の作品を見ることができるのも、あとわずかですから、作業中に、改めてじっくり作品を見ました。ドービニーの作品は、空も生き生きとし、その色の美しさが印象に残りました。息子のカールの作品と比べてみると、ドービニーの個性がよくわかるような気がします。

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例えば、図録の表紙にもなっていますランス美術館ご所蔵《オワーズ河畔》、1865年頃、から空の部分。

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ランス美術館ご所蔵《ケリティ村の入り口》、1871年、から空の部分。どちらも、実際の作品は、より美しいです。

今回は、三重県立美術館でご所蔵のモネの作品《橋から見たアルジャントゥイユの泊地》も特別出品されており、同じ展示室内で見ることができます。作品には、モネのアトリエ船が描かれており、ドービニーとのつながりを見ることができます。モネの空や水面の表現と比べてみるのも興味深いです。

館内にはフレンチレストラン「ミュゼ ボンヴィヴァン」も併設されており、作品チェックのために来日されていたランス美術館の方と、作業時、お昼をいただきました。ミシュランのビブグルマンを獲得し、とても人気のレストランとのことで、予約した方が安心のようです。お料理はとてもおいしく、目にも鮮やかで、大人気なのも納得でした。レストランのみのご利用も可能で、予約次第で夜も開いているようです。

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レストランは、階段左奥の入り口を入って左側です。レストランからも緑がよく見えます。

何気ない風景に美しさを見出し、生き生きと描いたドービニーの作品は、普段見過ごしてしまう小さな幸せや大切なことを思い出させ、ほっとします。生きる幸せを感じるような気がします。

巡回の最後ということもあり、夏の終わり、きらきらとした風景の中で、ドービニー展に携わることができてよかったと実感した展示作業となりました。
三重県立美術館での開催は、11月4日(月)までとなります。(TH)


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三重県立美術館