三重のパラミタミュージアムにて「シダネルとマルタン展」が開幕しました

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昨年の秋にひろしま美術館で始まった「シダネルとマルタン展」の旅も、いよいよ最終会場パラミタミュージアムに辿り着きました。








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近鉄四日市駅から小豆色の湯の山線に揺られること25分、大羽根園駅で降り、湯の山へ向かって歩いていくと、パラミタミュージアムのシックな建物が見えてきます。

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「パラミタ」という名称は、収蔵する池田満寿夫の陶彫「般若心経シリーズ」にちなみ、梵語の「波羅蜜多」に由来します。美術館公式サイトを覗くと、「波羅蜜多=迷いの世界である現実世界の此岸から、悟りの境地である涅槃の彼岸に至ること」とのことです。そんなことを知った後に館内を歩くと、気分が変わってくるのではないでしょうか。

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最初の展示室は、作品が床に反映しているからでしょうか、なんだか湖の中を漂っているような気分になり、2章の象徴主義にぴったりです(個人的な感想です)。

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先ほどの「波羅蜜多」の話に繋げてみようと思います(うまく繋がるといいのですが)。

シダネルとマルタンの描いた世界は、身近な人々の姿やテラスの食卓、工事現場の風景など、ごくありふれた、なんていうことのない日常の情景です。二人の絵画を見ていると、そんな日常のなかにこそ、ささやかな幸せが込められているのではないか、と気付かされます。

迷いの世界である現実世界の此岸側に留まりながら、その中にある小さな幸せを愛でることによって、心が癒されていく道を教えてくれているのかもしれません。

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四季の移ろいが感じられる同館で、ひとりでも多くの方の心が癒されていきますように、と祈りを込めて。

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また、同館では三重県四日市市と菰野町の伝統的な焼き物「萬古焼」をはじめとして、多彩なコレクションを展示しています。奥深い伝統工芸の世界とシダネルとマルタンの作品が同時に見られる、この貴重な機会をお見逃しなく!2023年1月29日まで。(NN)


関連リンク:
パラミタミュージアム